自主トレでトラップを上達させるポイントを教えます

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サッカーにおいてボールを扱う技術の中で、最も欠かせないものはなんだろうか。

 

筆者は、「トラップ」だと考えている。

 

本項では、トラップがなぜ重要か、どういった自主トレをすればトラップが上達するのか。

トラップが苦手、という欠点を克服できなかった筆者が自身のサッカー人生の経験を元に解説していきたい。

 

 

 

 

なぜトラップが重要なのか

 

まずは、この点から解説していきたい。

 

トラップのトレーニングはみんなやってない?

 

自主トレといえば、

・シュート

・ロングパス

・ドリブル

あたりが真っ先に思いつくのではないだろうか。

 

トラップが課題なので集中して自主練してます!

という話はなかなか聞くことがない。私もそうだった。

 

なぜシュートやドリブルになるのか。

理由は、試合で活躍出来るイメージが明確だからだと考えられる。

 

ミドルシュートを突き刺したり。

きれいなサイドチェンジでチャンスを作ったり。

ドリブル突破からゴールを奪ったり。

 

もちろんそれらも必要な技術だし、トレーニングを重ねて武器にすることも大切だ。

しかしそれでも、いや、だからこそトラップが重要なのだ。

 

全てのプレーはトラップから始まる

 

実際にプレーしている時を考えよう。

 

あなたはサイドハーフだ。武器は自主トレで磨いたドリブル。

監督からもガンガン仕掛けろと指示を受けている。

さあ、どうやって仕掛ける?

 

あるいは。

 

あなたはフォワードだ。エースストライカーだ。

シュートの上手さを知っているチームメイトはあなたにボールを集めてくる。

さあ、どうシュートを決めようか。

 

どちらも、パスを受けるところから始まるのだ。

 

 

逆に言えばドリブルが上手かろうがシュートが強かろうが、トラップが下手くそなら活躍は絶対に出来ない。

そもそも自分がボールを持てなくなってしまうからである。

厳密に言えばワンタッチシュートもあるが、ここでは考えないでほしい。

ワンタッチシュートしか出来ないフォワードは、やはり活躍できないのは当然のことである。

 

 

どんな自主トレをすればいい?

 

では、具体的な練習方法を考えていきたい。

となるのが普通の練習講座的なブログだろう。

しかし私はそう単純なものではないと思っている。

 

まず課題を抽出しよう

 

どんなトラップが苦手なのか。

試合中にどんなパスをトラップミスしたのか。

どんなトラップを覚えれば実戦で活かせそうか。

まずはこの具体的なシーン、状況を決めるところから始めよう。

 

そのためには、練習や試合でどんなミスをしたかメモしておく必要がある。

あるいはサッカー観戦しているときに、良いプレーを見つけたときでも良い。

いまはスマートフォンにもメモアプリがあり、動画も保存できる時代だ。

自分なりに課題やお手本をまとめておくことで、上達の助けとなるはずである。

 

①体の向き、状態

 

中盤の選手であれば前を向くトラップ

サイドの選手であれば体を開きながら前進させるトラップ

前線ならDFを背負うトラップが必要になりやすいだろう。

 

どんな向きで、どんな体の状態のトラップを練習するべきか検討しよう。

選手の個性によっては、全速力で走りながらトラップするシーンが多いかもしれないし、浮き球が多いかもしれない。

体の向き、動きを切取ることで、より実戦に近い練習となる。

 

②どんなパス?

 

二つ目は、受けるボールの種類だ。

 

浮き球なのか、ゴロなのか。

バウンドしている中途半端なボールなのか。

 

滑るようなゴロパスが毎回受けられるのであれば理想だ。

しかし当然そんなわけもなく、難しいボールを受けるシーンも多々ある。

それを想定し、練習することが大切だ。

 

浮き球にしてもライナーなのか、ふんわりなのか。

 

蹴る側にとってはキックの球種の練習であり、両方にメリットのある練習が出来るだろう。

 

③どんなコントロールをするか明確に

 

トラップの神髄、それは

 

「狙い通りの所にボールを置く」

 

という非常にシンプルなものだ。

 

 

しかし、日頃の練習からそれを意識しているだろうか?

 

少し斜め前に止めるのか。

ピタッと足下に納めるのか。

スペースに転がしてスピードに乗るのか。

そしてそれを決めるのは、次のプレーだ。

 

④次にどんなプレーをするのか決める

 

トラップの目的は、次のプレーを行うことだ。

明確に正解、理想となるトラップがある。

 

その場所をイメージし、狙い通りのトラップを求めることが大切になる。

 

フォワードならトラップからすぐにシュートを打てるトラップが必要かもしれない。

だとしたら、パスを受けた後にシュートまでをメニューに組み込めば良い。

 

一連の流れの中にトラップがあり、その流れをスムーズにこなすことが理想ならば、その一連の流れをメニューとして設計することで練習できるのではないか。

 

実際にメニューを組んでみた

 

 

これは筆者が現役時代に取り組んだときの話。

 

当時、私はボランチでプレーしていた。

課題は、ややバウンドしたボールが来たときに前を向けないこと。

 

そこで、こんなメニューに取り組んでいた。

 

①15mほどの距離の、バウンドするボールを蹴ってもらう。

②ワンタッチで足下に納めつつ、真後ろへターンする。

③前に置いたゴールのサイドネットへインサイドで蹴る。

 

イメージは、バックラインから受けたパスをフォワードの足下へ正確にパスする、というシーンだ。

このように、どんなシーンかを想定し、再現できる部分をしっかり設計することで、実戦に役立つメニューが組めるだろう。

 

チームトレーニングの中で出来ること

 

チームで練習しているときも、出来ることはいくつかある。

例えば、ウォームアップなどでよくある対面パス。

正直、実戦とはほど遠いメニューだ。

 

しかしこの対面パスの時にも具体的なトラップを練習することで効果を上げられる。

真後ろにターンしてみたり、横に流してみたり。

前に出ながらトラップしたり、足首だけでフェイントをかけたり。

 

細かいようだが、技術の基本は積み重ねだ。

毎日正面のトラップしかしない選手と、様々な方向へトラップする選手。

どちらがより良い選手になるかは明らかだろう。

 

 

最後に

 

自主トレの目的は、出来ないことを出来るようにすることだ。

 

理想の流れとしては

 

トレーニングで失敗する

自主トレで改善する

トレーニングでトライする

 

という、いわゆるPDCAサイクルを回すことにある。

自主トレを効果的に使えれば、トレーニングは上達だけではなく、実戦の場となるだろう。

 

ぜひトラップを上達させ、どこでも活躍する選手へと成長してほしい。

 

現役時代、最後までこの課題をクリアできなかった筆者からの切なる願いである。




 

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@山田有宇太

 

 

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