地域リーグの選手だった頃、どんな生活をしていたか詳細に書く。働きながらサッカーをするとは?

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かつて筆者は、地域リーグ、Jリーグ換算で言えばJ5に位置するリーグで活動していた。期間にして三年間だ。

この期間は働きながらトレーニングや試合の日程を消化するという、アマチュア選手の現実を知り戦った期間だと筆者は思っている。
ほとんど公式戦には出られなかったため、対戦相手よりも現実と戦っていた印象の方が強い。

そこで今回は、筆者がどのような生活を送っていたのかを詳細にお伝えしたいと思う。

あくまでも今回の記事で紹介する生活は一例に過ぎない。また筆者が対談した後にこのチームは違うスタイルへと方向転換した。全ての社会人チームがこのような生活を送っているわけでは無く、一つのサンプルとして捉えて欲しい。

 

※かなりきつかった体験を元に書いているので悲惨に見えるかもしれませんが、所属していたチームを貶める意図は一切ありません。
 むしろ筆者のような選手を拾っていただけたこと、活動を支えていただいたことに多大なる感謝を今でも抱いています。

 

 

 

収入、支出について

 

まずは金銭的な面から。

 

サッカーにまつわる収支

 

筆者はサッカーによる収入はほぼ0だった。ほぼ、というのには理由がある。

一つ目は、所属していたチームは選手毎に支給額が違ったこと。主力級の選手であれば月に2諭吉から5諭吉ほど出ていた、らしい。人づてに聞いた話。

二つ目は、試合に出場し勝てば勝利給がもらえるが筆者はほとんど試合に出れていなかったためもらえる機会が少なかったこと。

 

次にサッカーに必要な支出。

ユニフォーム、練習着、チームの練習用具、グラウンド使用費などは全てチームが負担してくれていた。またリーグ戦やトレーニングマッチにおける移動費も負担してもらっていた。

遠征に伴う宿泊については1,2年目は半分程度自己負担、3年目からは全額チームが負担してくれた。

自分で揃える必要があるのはアンダーシャツやスパッツといった個人の衣類、スパイクなどだけである。これは本当に恵まれていたと思う。また毎日の練習も基本的には人工芝のグラウンドで行うことが出来た。

サッカーをする環境、という点においてはとても恵まれていたと今でも思っている。

 

仕事

 

筆者が在籍していたチームは、フルタイム勤務、夜に練習というスタイルだった。よって筆者の収入は仕事の給与がほぼ全てとなる。

最初の2年間は、とあるバイトを紹介してもらった。時給は900円。一応申し訳程度に夏冬のボーナスが出る。

手取りは月平均13万程度であった。住む地域柄、車が必須であったために無理矢理ローンを組んで購入した。サッカー用品や食事、車の生活は苦しく、今だから白状するが借り入れを繰り返しながら無理矢理生活していた。返済するために借り入れしの無限ループって怖い。

また土曜日の勤務も多く、遠征に参加できないことが多々発生していた。

 

これらのことを踏まえ、3年目からは仕事を変えてもらうことになった。その結果手取りは数万増加し、借り入れを追加しなくてもかろうじて生活できるようになった。返済できる余裕があるとは言っていない。

 

この状況はサッカーによる収入、手当が無かったため仕方が無いといえば仕方が無い。今思うと筆者が贅沢しすぎていたのかもしれない。

 

ただこのフルタイム勤務というのが、かなりきつかったのだ。

 

 

一日の時間割

 

 

ではどうきつかったか、シーズン中の一日のスケジュールを見てみよう。

 

7:30 起床
8:30 始業
17:30 終業
ダッシュで帰宅。補食を取ってトレーニングの支度。
18:30 各自ウォーミングアップ開始
19:00 トレーニング開始
21:00 トレーニング終了
21:40 帰宅
22:00 夕食
24:00 就寝

 

これがシーズン中の火曜~金曜ずっと繰り返される。月曜日が唯一のオフであったが仕事は当然ある。

そして土日はトレーニングと試合が待っている。青森から福島への遠征などはバスで9時間近くかけての移動だし、乗るのはマイクロバスだ。狭い座席に体を鍛えたガチムチ野郎が並ぶからまあまあ狭い。

ホームゲームは設営や各設備の準備を選手も一緒に手伝う。これもこれで割と忙しい。

 

そんな多忙な日々を過ごしながらシーズン中は丸一日休みというのがほぼ無いのだ。

はっきり言って、大分きつかった。

 

他のチームの例

 

もちろんこれは一例だ。

どれだけチームにサポートして貰えて、どれだけ自分でまかなわなくてはいけないかはチームや所属リーグによって大きく異なる。

同じ地域リーグでも関東と東北では大きく異なるし、JFL昇格が目標のチームと残留が目標のチームでは状況が変わるし、もっと言えば存在し続けることに意義があるチームとJ昇格を目指すチームでは待遇から活動方針から全部変わってくる。

 

仕事一つとってもフルタイム勤務で収入を得るのか、サッカーからも手当をもらいつつ午前練習午後半日勤務になるのか、あるいは下部組織のコーチなどで収入を得るのか。完全にサッカーで生活できるだけの手当をもらってサッカー一本で食べるのか。

チームの中でも待遇の差が大きく出る部分になってくるため、端的に言えば実力主義だ。

上のチームに行けば行くだけ待遇は良くなるし、チーム内での頂点に近付けば近付くほどに重宝される。

だから社会人チーム内での移籍は思いのほか頻繁だし、選手間のコミュニケーションによってチームの待遇や評判は密かに広まっていく。

 

元Jリーガーの加入について

 

最近はJ経験者が多くJFLのみならず地域リーグへの加入まで増えている。これには地域リーグのやや特殊な状況が関連していると筆者は考えている。

というのは「地域リーグからJリーグへ」という動きが非常に活発になってきたことが大きい。

Jリーグを目指す、だから応援してくださいというのは非常にわかりやすいストーリーである。スポンサーへのアピールとしても優秀だろう。

だがそうはいっても選手の質が伴わなければ現実味を誰も感じてくれないだろう。そこで有力になってくるのが、誰にでも分かる実績であるJ経験者である。また選手側にとってもJとは違う新たなチャレンジという新鮮さであったり、あるいはJ3よりも良い待遇で迎えてくれる地域クラスのチームが増えたりと様々なメリットがあり、そこで噛み合った結果移籍が起きるようになった。

選手としては、単純にプロレベルの選手と日々のトレーニングが出来ることが大きな刺激であった。

チームとして目標であるJを目指す指針になること、支援をお願いするときに有力な説得材料になること。これらの理由が移籍の増加に繋がっているのではないだろうか。

もちろんあくまで推測に過ぎないが、内側からJリーグを目指すクラブの活動を見てきて感じたことでもある。

 

伝えたいこと

 

何故この記事を書いたのかという理由だが、一つは単純に知って欲しかったからである。

つい先日も天皇杯で、広島県一部所属の福山シティFCが快進撃で話題に上がっていたり、ここ数年いわきFCのような大型チームが多く誕生したりと認知度が上がってきている。

それに伴いロマンというか、夢というか、希望に満ちあふれたものとして地域リーグが捉えられている雰囲気を感じるようになった。

 

もちろん夢があるし熱量が凄い。それは体験してみないと分からないと思う。

だが同時に過酷さも知って欲しいと筆者は思ったのだ。元プロなどでは無く、一般的な選手がどんな犠牲を払い、どんなサポートを受けながらアマチュア選手として戦っているのか。その一例を知って欲しいと思いこの記事を書いた。

 

今後選手として進路を悩んでいる人の参考になれば幸いだし、サポーターやファンの方はこの記事をきっかけに一度でいいから是非地元のアマチュアリーグを見に行って欲しいと思う。

そこにはプロの世界とは違う、なにか痛みを伴ってでもプレーすることを選択したサッカー狂の世界が待っている。

 

 

 

 

 

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