EURO2024を使ってサッカーを勉強してみよう(アーカイブ化計画の紹介)
明日から、EURO2024が開幕する。
今回はなんと、Abemaが全試合無料放送というとんでもサービスをしてくれた。なかなかヨーロッパサッカーに触れる機会が無かった人達にとっても最高のタイミングだと思う。
特にEUROは戦術的に色んな取り組みが見られることが多く、2年後のワールドカップに向けて戦術的なトレンドが観測出来る、と捉える人も多いらしい。
そんなEUROを利用して、サッカーを勉強してみないか?というのが本記事の趣旨である。
以前にこんな記事を書いた。
サッカーを見る訓練をしてみようという話と、具体的な方法について
[https://reading-football.work/2021/01/16/post-453/]
この記事ももちろん参考にしてほしいのだが、この記事で書かなかったことで一つ
「誰かが書いたレビューを参考にしながら試合を見る」
という手法を筆者は良く好んで用いる。
そして今回のEUROは「EURO2024アーカイブ化計画」という壮大な計画があり、数多くのマッチレビューが執筆される予定だ。
そのマッチレビューと無料放送を利用し、誰でもサッカーの勉強が出来る最高の機会、活用してみませんか?というお話。
特にこのブログはマッチレビューブログではなく、現在プレーされている方に向けて(ありがたいことに指導者の方にも読んでもらえたりするが)書いているため、サッカーの勉強ってどうやればいいんだ、と思う人の役に立てればと思う。
またプレーや指導はしないけど観戦が趣味!という方も大勢居ると思う、というかこちらの方が絶対多い。
そんな方々にも、サッカーがより楽しくなる観戦のお供として、この記事を読んでもらえたら嬉しい。
無料視聴、録画等の労力なく見返しも可能、おまけにたくさんマッチレビューがあがり教材には困らない。そんな素敵な大会を使ってやってみませんか。
Windtosh’s Cantinaという最高のサイト
まずもって、X(旧Twitter)には、@/W_C_Projectというアカウントが存在する。中の人は@windtoshさん。
このアカウントは、X上に数多く存在する、サッカーについて発信するアカウントを補足しており、マッチレビューやプレーに関する考察が発信されると即座に引用RPで紹介してくれるという凄いアカウントだ。色んなマッチレビューを読んでみたい人には、とりあえずこのアカウントをフォローすることがオススメである。
で、このWindtoshさんは「Windtosh’s Cantina」という壮大なサイトを運営されている。このサイトがまーーー凄い。
この度、多くの方にご協力いただき、情報を収集、整理、保存するアーカイブサイトを立ち上げました。
開かれた場所に体系化された情報を置き、認識の共有化を図る事で車輪の再発明を防ぐ事を目的としています。
登録不要なので、折に触れてご活用いただけたら幸いです。https://t.co/i4bCJekBtM
— Windtosh (@Windtosh) September 1, 2020
技術論の紹介から各クラブ、代表に至るまで様々なレビューが収納されており、しかも各節毎にマッチレビューまで抑えられている。
更にマッチレビューだけではなく統計や用語解説、レビュワーが紹介した観戦法まで収められている優れもの。
マッチレビューに関してもただ並んでいるのではなく、各節の試合結果に基づいてリンクが作成されているという想像も出来ない労力がかかったサイトである。初めて見たときはマジでびっくりした。
(スクリーンショットはWindtosh様より拝借しております)
この試合結果のチームがリンク化しているところに、それぞれのレビューが収納されている。これが全節分、しかも国内海外リーグ、カップ戦、ワールドカップとあらゆる試合で行われている。
つまり、過去どんな試合が行われていたのかがこのサイトに行けばレビューまで辿り着けることで振り返れるという凄さ。過去に書かれたサッカーに関する様々な記事をアーカイブ化していこうという、壮大という言葉がこれほど似合うサイトもそう無いだろう。
Jリーグも2020年からこの取り組みが行われているため、懐かしい試合のレビューを読むのもまた一興である。
「大会アーカイブ化計画」というプロジェクト
そんなWindtoshさんの呼びかけで、2022年に開催されたワールドカップでは、各レビュアーに呼びかけ、担当の国を抽選で決め、全試合のレビューを残すという「ワールドカップアーカイブ化計画」というものが行われ、私もお声かけをいただいた。
ワールドカップアーカイブ化計画
総勢48名からなる分析者によって、グループステージ全48試合の分析を行いひとつひとつ形にしていく予定です。
4年に1度の一大イベントを、一緒に楽しみましょう!!!@Windtosh #note #ワールドカップ https://t.co/dR6ZPGkeU7
— Windtosh's Cantina Project. (@W_C_Project) November 12, 2022
それと同じような取り組みを、今回のEURO2024でも行おうというプロジェクトが現在行われている。今回も私はご招待をいただき、参加させていただく運びとなった。
企画の説明、およびレビュー参加者一覧はこちらのnoteをご覧ください。
ユーロ2024 アーカイブ化計画(note)
サッカーを学ぶには最高の機会
この大会、サッカーを学んでみたい、勉強として観戦したい、というモチベーションのある方には最高の大会になっている。
どの国にも担当レビュアーがいるため、最低1試合はレビューがリリースされること。無料で視聴できるだけでなく、見返しも可能なこと。書き手が非常に豪華なこと。
多くの人が書くと言うことは、それだけ異なる視点からのレビューが読める。多角的にサッカーを知るにはこれ以上無い機会と言える。
なのでこの素晴らしいサイトの存在と共に、アーカイブ化計画を少しでも多くの人が楽しみ、役立てていただきたいなと思い、今回この記事を書くことにした。
筆者が実際に行っていた勉強のやり方
ではどうやってこのアーカイブ化計画を勉強に役立てていくべきか。
やり方はそれこそ人の数だけ存在すると思うが、個人的にどんな順番で学んできたかをざっくり紹介しようと思う。
お手軽コース
一番お手軽というか、入りやすいのは「レビューを読んでから試合を見てみる」というやり方。まずはここから始めた。
試合中に何が起きていたかを事前にインプットしてから観戦することで、目で見て事象を認識できるようになる、これがわかり始めるとめっちゃ楽しい。
ちょっと頑張るコース
「試合を見て、自分なりの感想を持ってからレビューを見る」というのが次のステップとしては非常におすすめ。
自分が何を認識できていて、何を見落としていたか答え合わせのような形でレビューを役立てることが出来る。これが楽しいのは、
「なんか前半途中からAのチームが上手くいってないんだよな、なんだろこれ」という疑問に対し解を得られること。納得、という感情はとても気持ちがいい。
もっと頑張ってみたいコース
私はもっとサッカーに詳しくなりたい!という人向け。趣味の領域でここまでやるとしたらすごい。
- 試合を見て自分なりに所感をまとめる、簡単にでもいい。試合見ながら箇条書きでもOK。
- 他の人のレビューを読んでみる。複数有れば複数読む。
- 自分のまとめと他の人のレビューを手元に置きながらもう一回試合を見る。
という二回見る上に、一回自分で簡単にでもいいから所感をまとめる必要がある。ここら辺に入ってくると、ちょっと勉強っぽさが増してくるため気軽に、というわけにはいかないかもしれない。
ただしその分効果も大きい。初めてこのやり方をすると、一回目の観戦と二回目の観戦で自分の感覚が変わっていることがすぐに分かるぐらいに効果はあると思う。
お祭りなので楽しみながら勉強を
すごく偉そうな書き方をしてしまったが、何が言いたいかというと
「実は壮大な計画が行われています、みんなサッカーのお祭りを楽しむお供にいかがでしょうか?」
というだけの話である。ただ、サッカーの中身を見るというのは非常に面白い。普段見ているリーグ戦と違い、どちらかに肩入れせずに見れる試合も多いと思う。だからこそ中身に注目してみる良い機会でもあると思う。その上で、今後自分がプレーしたり指導する上で役に立つようなインプットになればこれ以上良いことはない。
そしてサッカー観戦が趣味という方へ向けて。
勝ち負けだけでは無い、サッカーというスポーツの面白さを、この機会にちょっとでも知ってもらえたらきっとレビューを書く方々にとって一番嬉しいことだと思う。可能であれば、引用RPなどで感想が著者に伝えてあげてほしい。私は引用RPされるとガッツポーズしちゃうぐらいには嬉しい。
感想というのは、何かを発信した人にとっては何にも代えがたい喜びだと思うので是非。
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