プレーを分解して見る重要性、技術を盗むコツとは

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私の寄稿させていただいている、

大人になってから学ぶサッカーの本質とは

というブログで、最近取り上げているテーマが

「プロの選手はどんなところが凄いのか」

ということを噛み砕いて伝えるというものだ。

 

いくつか記事を読んでいただけば分かるかと思うが、このシリーズでは一つのプレーを細かく分解して解説している。

 

この目線は、選手時代に自分が上達するために観戦法として取り組んでいたものであり、現役の選手たちには是非取り組んで欲しい。

 

ということでこの記事では、

 

・どんなプレーを観るべきか
・どのように分解するのか
・どう自分のプレーへ役立てるか

 

という点を解説してみたいと思う。

この記事が、現役選手の上達の手助けになれば幸いだ。

 

 

どんなプレーを観るべきか

 

基本的に、お手本にするべきプレーの基準を私は持っている。

その基準となるのが

 

体格、フィジカル、スピードが自分と近い

 

という点だ。

 

盗める点、学べる点をはっきりさせる

 

例えば極端な話、FC東京の永井謙佑のドリブルを学ぼうとしてもスピードに優れた選手でなければ学べる点は少ないだろうし、身長の低い選手がサガン鳥栖の豊田陽平のヘディングを盗むことは難しい。

 

私が記事で取り上げた各プレーは、そういった肉体に依存しないプレーが基本となっている。

 

真似したいプレーということは、相手に何かしらの要素で勝ったということだ。
それがフィジカルではない以上、

・頭脳(インテリジェンス)
・技術(テクニック)
・駆け引き

のどれか、あるいは全てが優れたプレーということになる。

 

一般的に、フィジカルやスピードよりも技術や頭脳のほうが練習で改善しやすいのは誰から見ても明らかだ。

生まれつきではなく、努力で磨ける部分。

だからこそ、学ぶべきは肉体に依存していないプレーなのである。

 

どう分析するのか

 

では、そういったプレーが見つかったとき、どう分析するべきか。

順序を立てていくと

 

①プレーをより細かく区切る
②選手の思考、判断、その理由を探る
③その意図を実現させるための工夫を探す

 

という点になる。

 

ここからは、以前に公開していただいた

神戸・古橋亨梧のゴールに学ぶ、セオリーの大切さとは

という記事を例に解説しよう。

 

①プレーをより細かく区切る

 

このゴールに関して、私が区切ったのは

1.ボールの受け方
2.トラップ
3.シュート

という三局面だ。

注目して欲しいのは、

「受け方とトラップを分解する」

という点。

 

これには二点、理由がある。

現代のサッカーではプレーできるエリアがとても狭く、ボールを受けるだけでも一苦労だ。
そのため、どうやってパスを引き出すかという点から勝負が始まっているというのが一点目。

 

二点目は、私が現役時代に最も苦労したのが

「ボールを受けること」

だったからだ。

指導者によく「もっとボールを受けろ!」と言われるが具体的にどう受けるべきかを指導された人は、実は少ないのではないだろうか。

 

だからこそ、良いプレーのスタート地点である、ボールを受ける動きは単独で切り取ってほしい。
どのスペースで、どのタイミングで、どの体の向きで・・・と学べる点が数多くあるはずだ。

 

というように、一つ一つのプレーを区切ることで、見えてくるものがある。
それを見つけることが、上達への第一歩だ。

 

②選手の思考、判断、その理由を探る

 

プロ選手が凄いのは技術ももちろんだが、判断力が大きなウエイトを占める。
判断力、という言葉も難しいもので、これ一つで記事が書けるようなものだが…

プレーを観た時に、

「どんなプレーをしようと、いつ判断したのか?」
「なぜそのプレーを選んだのか?」

ということを考えてみるのが、良い判断のトレーニングとなる。

 

手掛かりになるのは、首振り、目線、仕草、体の向きと無数にある。

古橋のプレーのトラップでいえば、

・トラップの直前に首は降っていない
・が、DFの位置が間接視野に入る場所であること、トラップの方向

という点から、受ける直前に前を向けるスペースがあると判断したのだと推測した。

 

これを自分のプレーに生かすのであれば、

「無理に首を振らなくても間接視野ぐらいの広さがあれば、前を向けるか向けないか判断できるんだな」
「プロになるにはあの1mぐらいしかない場所でも前を向いて勝負する技術が必要なのか」

と、判断と技術ともに目指すべき点が出来てくる。

あとはトレーニングや自主練習で目指すだけだ。

 

この見方をすることで、いわば追体験のようなイメージトレーニングとなる。
テレビやYoutubeを見ながら、経験を積むことが可能となるのだ。

 

 

③その意図を実現させるための工夫を探す

 

単純にイメージしたプレーがそのまま出来れば、それは最高のプレーとなる。
しかしそれが出来るのは世界でもごく一部であり、Jリーガーと言えども選手たちは様々な工夫をしながら戦っている。

例の記事でいえば、トラップを2タッチに分けたところ。
これを1タッチで大きく回転しながら左に運び出すのは、まさしく神業クラスのトラップだ。

しかし古橋は2タッチに分けることで、それを実現させた。

 

もしかしたら狙って分けたのではなく、上手い具合にボールが止まってしまったのかもしれない。
本当のところは古橋本人にしかわからない。

しかし、プレーを観て学ぶ側には、実はそれほど関係がない。

大事なのは、

「2タッチに分ければやりやすく、時間もかからない」
という気付きをもらえたということだ。

 

このように、どんな工夫をしたのか、言い換えれば、

 

なぜうまくいったのか

 

という理由を見つける努力をしてみよう。
理由が分かれば、真似もしやすくあるはずだ。

 

大体のプレーには理由があって結果がある

 

サッカーは偶然に溢れたスポーツだ。
だから、すべて理屈で説明できるとは到底思っていない。

しかし、大半のプレーは理由があり、理屈で説明できるものだ。

 

そして理屈が分かることで、選手にとっては

 

・再現性(何度も狙って成功させる)
・応用性(同じ理屈が通じる別のシーンで使える)

 

というように、上達に直結することとなる。

 

だからこそ、言葉で説明できることは大切なのだ。

 

 

まとめ

 

・プレーはなるべく細かく区切ってみよう
・なんでそのプレーを選んだか推理しよう
・なんでうまくいったのか、理由を探そう
・選んだ理由、上手くいった理由を自分の練習に活かそう

 

これが出来れば、間違いなく賢い選手へとステップアップできる。
幸運にも、今の時代はDAZNにYoutube、なんならTwitterでもプレーを観ることができる。

いつでもどこでも、隙間時間でも上達するための勉強ができる環境だ。

 

練習の時間に限りはある以上、どこかで影の努力をしなくてはならない。

ゴロゴロしながらパズドラをやっている時間をほんの少しでもいい。

映像でのサッカーの勉強に充ててみてはいかがだろうか。




 

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@山田有宇太

 

 

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