中高生が戦術を学ぶ必要はあるか?ないか?

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育成年代、と呼ばれる中高生。
 
 
 
日本サッカー界は長らく戦術理解度が課題と言われる中、育成年代では戦術を教える派、教えない派と分かれていたりと議論が長らくされている。
 
そこで今回は、
 
「戦術を学ぶべきか?」
 
という問いを立て、元選手であり戦術オタクだった筆者の体験を元に考えていきたい。
 



 

そもそも戦術という言葉が曖昧である

 
 
まずこのテーマで考えるにあたり、大事になるのが、「戦術」という言葉の定義だ。
この言葉をきちんと整理しないと、プレーが上手くいかない時、指導が上手くいかない時にこの言葉で逃げることになってしまう。
 
 
Wikipediaや辞書には言葉自体の意味があるが、ここではサッカーでの実用性を最優先とする。
 
 
ここからの区分は世間的によく言われるもの、それに筆者の解釈を加えたものである。
 
 
 
1.チーム戦術
11人の動きを考慮するもの。
システム同士の相性、カウンターやポゼッションといったスタイルなど。
 
 
2.グループ戦術
2-5人程度の動きを考慮するもの。
DFラインの連動、ビルドアップの動き、SHとSBの連携など
 
 
3.個人戦術
1人だけで完結する場面。1vs1のセオリーやトラップするべき方向など、自分の中で判断するもの。
 
 
上から順に、より小さく区分したものである。
この定義をもとに、それぞれに個人的な見解を述べていくこととする。
 
 
 

1.チーム戦術

 
 
いわゆる戦術オタクや戦術クラスタ、分析班と呼ばれる人達が最も気にするのはこの分類である。
11人がどう動くか、どう機能するかという捉え方だ。
私が勉強に熱中したのもこの分野である。
 
もちろん試合を観戦する際には、より楽しむためのツールになるし、勝つためには必要なものである。
 
 
しかし、これが選手個人レベルで必要かと言われれば個人的にはNOだと思っている。
 
 

チーム戦術を学ばない理由とは

 
 
1.あまりにも難しい
 
観戦している人達がチーム戦術を楽しめるのは、上から全てを見下ろせる視点で見ているからである。
ピッチの上で、22人の動きを把握、予測することはトッププロでも難しい。
というかほぼ不可能だ。
 
 
2.実用性が薄い
 
22人の動きを見た所で、どうプレーに生かせばいいかという所である。
実際に見るべき数はそこまで多くなく、見るものを絞った方が良い判断を早く出来るようになるだろう。
 
逆に22人全員を把握しようと周りを見ていたら、ボールに置いて行かれてしまうだろう。
 
「もっと周りを見ろ!」
 
と指導者に怒られたことは無いだろうか?
 
かくいう筆者も散々怒鳴られてきた。
戦術オタクは、プレーに発揮することが出来なかったのだ。
 
 
なぜ戦術に詳しいのに怒られ続けたのか。
 
 
この記事を読む皆様の中で、
 
・何を見て
・何を考えて判断するか
 
という手順を教わった人は何人いるだろうか?
 
この手順をきちんと教えてくれる人は決して多くない。
逆に言えば22人を見なくても、必要なものを見れば良い判断が出来るようになる。
 
大切なのは、何を見るかだ。
 
それが理解出来れば、より判断の質とスピードは上がる。
見るものを絞れなかった結果、筆者は大成できなかった。
 
 
じゃあ、何を見るのか。
それが次の項である、グループ戦術だ。
 
 

2.グループ戦術

 
 
こちらは、もう少し小さい区分となる。
特に守備で多く見られるが、攻撃でもボールの受け方等で必要となるものである。
 
 
ここに関しては、筆者は是非とも勉強していただきたいと考えている。理由は以下の通りだ。
 
 
1.普段のトレーニングで最も学べる
 
日頃のトレーニングで行われるもののほとんどが、この区分で行われていることに気付いていただろうか?
 
3vs3や5vs5といったトレーニングは、基本的に試合のどこか一部分を切り取ったトレーニングとなる。
いわば勉強することで、すぐに実践出来るのがこの分類である。
 
 
2.チーム全体の動きはグループの動きの連続である
 
個人的に最も必要だと思っている理由はこの項である。
11人がそれぞれ連動するのではなく、グループ単位での連動が正しく出来れば結果的に11人が綺麗に揃うこととなるからだ。
 
逆に言えば、1人あたりの所属ユニットは2-3個程度あるとも言える。
 
たとえばSBなら
 
①DFラインのユニット
②SH、SBのサイドのユニット
 
というように、いくつかのユニットとしてプレーする。
その為、それぞれのユニットが正しく動くことこそ、11人がチームとして機能するために必要なのだ。
 
ということは、ユニット単位で正しい行動が出来れば、それはチーム戦術としても正しいということになる。
優先されるべきは、ユニットであると考えていいだろう。
 
つまり、先ほど提示した
 
「どこを見て判断するのか?」
 
という問いの答えは
 
「ユニット単位の人数を観れば大体合ってる」
 
ということになる。
 
しかしそれだけでは正しい判断はできない。
自分がどうするか、という点だ。
 
一番根底となる、と筆者が考えているのが次の項目。
そう、個人戦術だ。
 
 
 

3.個人戦術

 
個人戦術という言葉は非常にあいまいなため、個人技と定義を分けるのが難しい。
その為あまり語られることがないが、ここでは強引に定義してみようと思う。
 
個人的に考えていたのは、
 
「一人で完結する判断の質」
 
という考え方だ。
 
 
例えば。
 
・サイドでの1vs1の守備でどちらへ追い込むのか。
・FWがCBとの駆け引きをどう制し、裏を取るのか。
・トラップはどっちの方向へ、どの体の向きで行うのか。
 
こういった例を並べた時に、不要だという人はいないだろう。
 
要は、よく言われる「判断力」というものは個人戦術に含まれると考えるのはどうですか?ということだ。
 
そしてこの個人戦術は、この記事で書いたように自力で勉強が一番しやすいものである。
もちろんグループ戦術も見て学ぶことは出来るが、自力で試行錯誤しやすいのは個人戦術だ。
 
そして戦術オタクだった私が、選手として成長できなかった理由はここが欠けていたからだ。
チーム単位でどう動けば正しいかが分かっても、
 
「じゃあ俺はどうすればいい?」
「敵のプレッシャーに俺はどう対応する?」
 
という所が全くできなかった。机上の空論だったのだ。
 
 
具体的に言えば、筆者の選手時代は、
 
前を向ける状況でターンが出来ない
 
という欠点を抱えていた。
ボランチとしては致命的である。
克服できなかった理由は
 
・戦術理解(前を向く役割であること)
・見るべきもの(DF、スペース)が見えてない
・奪われる恐怖心に勝てない
 
というものだった。
個人戦術をもっと鍛えていれば、解決できたかもしれない。
見るものを絞る教育、チャレンジする精神も欲しかったのが本音ではあるが。
 
 
 
 
先ほど、トレーニングではグループ戦術が最も学べる、と書いたが、大前提にあるのは個人の判断だ。
いくら4vs4の動きが理解できても、個人の判断が出来なくては勝てるはずがない。
 
そういった意味で、個人戦術は絶対に必要であり、知らず知らずのうちに要求されているものともいえる。
 
私はここに気づけず、成長することが出来なかった。
学生時代にこの情報を知れた皆様には、同じような失敗をせず成長して欲しい。
 
ここを徹底すれば、県レベルまでは十分誰でも到達できるはずだ。
 
 
 

まとめ

 
 
・チーム全体の戦術は、選手の良し悪しにあまり影響はない
・グループ戦術が最もトレーニングで鍛えられる、試合で必要とされやすい
・個人戦術とは判断力であり、最も試合を見て学ぶことが出来る
 
 
ということで、グループ戦術と個人戦術は学ぶべし。
そして学んで試してを繰り返すことで、賢い選手へと成長できるはずだ。
 
筆者が犯した失敗を糧に、皆様は上達してくれると筆者も救われる。




 

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@山田有宇太

 

 

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