選手自身がサッカーを知らないと上達しない理由をお教えしたい

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選手にとって、一番の願いは上達することだ。

もちろん筆者も現役時代、それを思いながらトレーニングに励んでいた。

だが今思うと、もっと上達することが出来たのではと後悔することがいくつもある。

 

それを現役の選手や保護者の方、指導者の方に知って欲しくてこのブログを立ち上げたのだ。

 

今回はそんな筆者の後悔の中でも、特に痛感した点を書き残したい。

 

選手が上手くなるために、サッカーを知ることが必要だと筆者は現役を退いてから客観的に自分の選手人生を振り返って気付いた。

このことに現役時代に気付いていたら、もっと楽しくサッカーを学べたと思う。

そんな後悔、他の人には絶対にして欲しくないため、ここに記すこととする。

是非参考にして欲しい。

 

サッカー人生を棒に振った筆者からのお願いだ。

 

 

 

 

 

 

上達とは、プレーから学ぶこと

 

まずもって、上達という言葉。

本稿では、「サッカーが上手くなる」という定義でお話ししたい。

つまり、技術単体を切り取ったりではなく

より良い選手になる

ということを念頭に置いて欲しい。

 

そして選手の質を決めるのは、判断力だ。

トレーニングで鍛えられるのも判断力。

対人トレーニングであれば1vs1から11vs11まで、全てに判断が求められる。

 

もちろん技術の優劣でも選手の評価は変わるが、

「超絶テクニックを持った判断の悪い選手」よりも「最低限の技術と正確、かつ素早い判断」が出来る選手の方が評価は高いはずだ。

そして技術はある程度までであれば、身につけることが出来る。

トレーニングで足りないと思った技術、判断を身につけていく。

トライ&エラーが上達の基本だ。

 

そう考えたときに、どうすれば上達の速度を高めることが出来るだろうか。

 

筆者が辿り着いた結論は、

「ミスの内容を正確に把握、克服する」

という事だった。

 

ミスの理解を間違えると上達しない

 

ここで例を挙げてみよう。

例えば、こんなパスミス。

 

 

このミス、今なら判断が良くないと知っているため反省するべきは判断と見る物だと分かる。

正しくはドリブルとパスの二択を突きつけて後出しジャンケンすることだ。

 

 

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だが、この駆け引きの理屈を知らない選手はどう考えるだろう。

パスが弱いからだ、もっと強いパスを練習しなくては

と考えてしまうかもしれない。

たとえそれで強いパスが身に付いたとしても、同じミスは繰り返されるだろう。

 

あるいはこんなシーン。

 

 

敵を背負おうとしてボールを奪われるシーン。

これも理屈として

「DFから遠いところにボールを置く」

という知識があれば反省点は

トラップの質では無く方向(判断)

という事に気付ける。

だがこれに気付けなければ、改善されることは望めない。

トラップが上手くなってもDFに奪われやすいのは変化せず、成長とは言いがたい状況のままだ。

 

逆もまたしかり。いいサイドチェンジや裏へのロングボールが奪われたとき、サッカーを学んでいれば「狙い、判断は良かった。あとは精度を上げていこう」と技術の練習に励むことが出来る。

これを、「奪われた、この判断は駄目だった」と認識してしまえば、次のプレーから正しい判断が出来なくなってしまう。

 

原因は判断なのか技術なのか、見極めなくては正しい方向へ進化できないのだ。そのためにも正しい反省、分析が出来なければ正しい改善は当然ながら出来ない。

 

プレーの原因、結果を知ろう

 

筆者の考えとして、

プレーの結果には必ず原因がある

というものがある。

ボールを奪われるのも、パスをカットされるのも、ビルドアップが上手くいくのも、フリーでボールを受けられないのも。

全て、必ず原因があるはずだ。

先ほどの例で言えば、

・ドリブル、パスの「二択を突きつける」という行動をしなかった
・「DFから遠い位置にトラップ」が出来なかった

ということになる。

これを昇華させることで、

・ボールを運んでDFと駆け引きする
・DFから遠い位置にトラップしてキープする

という、「セオリー」を見出すことが出来る。

 

そしてそれを発見するためには、自分でトレーニングするだけでは絶対に時間が足りない。

 

自力で発見しようと思うな

 

一つ一つの原因や結果を、全て自分のトレーニングの中で発見するのは至難の業だ。そして時間の無駄だとすら筆者は考えている。

 

サッカーは世界中で行われている。それらの試合を見ることで、様々なプレーの原因と結果の関係を学ぶことが出来るはずだ。

 

試合を見ているときに、

・なぜあのプレーは上手くいったのだろう
・なぜ今ボールを奪われたのだろう

ということを、執念を持って解き明かすのだ。そこで得た原因と結果は、必ず自分のプレーに活きる。そして自分がミスしたときも、正しい反省をするための貴重な思考材料となる。

こういったセオリーは、一試合に何度も登場するはずだ。細かい一つ一つのプレーを見ることで、共通点も発見できる。

トラップの基本的なセオリーはピッチのどのエリアでも変わらない。その試合全てのトラップを分析したら、膨大なサンプルが手に入るだろう。

そうやって学ぶことを、どうか早い段階で取り組んで欲しい。

 

取り組まなかった筆者の末路

 

筆者は現役生活の最後までこれに気付くことが出来なかった。結果、どんな状態だったのか。

 

高校時代、ビルドアップを要求しながらも仕組みを教えてもらえないようなチームでプレーしていた。

ボールを受けても奪われる。パスを散らそうとしてもカットされる。当時の私は

・パスとトラップの技術が低いから
・視野が狭いから

という漠然とした反省しか出来ず、高校を卒業するまで改善できなかった。

今ならば分かる。

・パスとトラップの技術よりも、「何のためにどこにボールを止めるか、パスするか」を考えていなかったから。
・ピッチ全体を常に見ようとしすぎて、大事な物が何も見えていなかった。
 ビルドアップのために必要なものだけをしっかりと見る、ということを知っていればパニックにならずにプレーできた。

言われてみれば当たり前の要素だ。だがこれに気付かないまま、ひたすら自主トレを頑張り、チームトレーニングで怒られ続ける毎日を送っていた。

 

あまりにも悲惨な日々だ。反省点を間違えて理解してしまうとこうなる。

最終的に、自主練でのパス、トラップは上手いが試合では使えないという残念な選手になってしまった。これは高校卒業後も、引退まで変わらず戦力外通告によって現役を辞めることとなる。

 

こんな悲惨な選手生活を送って欲しくない

 

君たちにはまだまだ未来がある。沢山トレーニングが出来る。そのトレーニングから正しく学んで欲しい。

何が悪かったのか。何を改善するべきなのか。

この二点を真剣に考えるだけで、サッカーはもっともっと面白くなる。なぜなら、頭で勝負できるから。

今までは身体能力と技術だけだと思っていたサッカーが、心理戦と頭の回転を含めた奥深い物になる。その楽しさを是非知って欲しい。

 

上達が早くなり、もっとサッカーが楽しくなる。幸せな選手生活を送るためにも、一度取り組んでみてはいかがだろうか。

 

今までと同じミスをして、今までと違う反省が頭に思い浮かんだとき。それが新しい楽しみへの第一歩だ。

 

 




 

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