サッカーがしたい社会人向けに、チームと選手のマッチングシステムがあればという提案をしたい
このまえ、ふと思い付いてこんなツイートをした。
最近ぼーっと考えてるんだけど、社会人サッカーって合同セレクションが最大手のチーム選手出会いの場だと思うのよね。でもレベルも様々、求めるものも様々、雇用がある場合は条件も様々。ということでチームと選手のマッチングサイト的なものがあったら滅茶苦茶役に立つんじゃないかと思うんですよ。
— 山田有宇太 (@Grappler_yamayu) July 29, 2021
この発言は自身の二つの経験から思ったものなのだが、結構本気で思っている。
ということで今回は、このアイディアを本気で書いてみたいと思う。誰か実現して欲しい。
自分の体験、チームの探し方
アマチュアはどう生活しているのか
社会人チームでは、入団が決まればチームから仕事を斡旋して貰えるという仕組みがあったりする。ジョブパートナーというスポンサーの一種だ。スポンサーの活動であるため、ある程度の規模で運営されているチームじゃなければ無い仕組みではあるが、この仕組みがあることで縁もゆかりも無い地域でもサッカー選手として移籍を決断することが出来る。
「所属先が決まっても仕事が無くて食っていけない・・・」
という事態を回避し、選手を集めるためにリクルートに力を入れたいチームにとってはもはや必須と言える条件でもある。
で、この仕事というのがなかなか厄介なもので、仕事の雇用条件の差というのはとても大きい。
まずもってフルタイム勤務なのか、半日勤務なのかという差が大きい。
本来、トレーニングを午前中に行って午後から仕事というのが最もサッカーに集中できる労働環境だ。
だが半日勤務では当然ながらフルタイム勤務と同額を貰うことは出来ない。よってチームから給与が出たりしなければこの雇用は実現しない。午前練習午後勤務という体制を取れているチームは相当頑張っているのだ。
例えば筆者の場合、最初に働いたのは郵便局だった。時給800円のフルタイム。バイク配達で、一日2万歩近く歩き回り階段を40階分上り下り。土曜日もなかなか休めず、前日調整に参加できなかったり遠征自体に帯同できなかったり。
他のチームでも手取りが10万切ってて貯金を崩さないと生活できないとか、残業が多すぎて練習に参加できないとか、いろんなきつい話を聞く。
雇用条件は重要
チームから仕事を紹介して貰う以上、こういった事態でも待遇改善の交渉がしにくいのが選手としての立場だと思う。確かに会社からすれば応援という善意で、見ず知らずの人を雇用しているわけで。そんな状況で待遇が悪いと訴えるのは簡単なことでは無いだろう。
実際問題、いろんなスポンサーから支援を受けていてもサッカー選手として給与を得られるチームは決して多くない。となれば仕事の雇用条件というのがとても大切だというのが理解してもらえるのでは無いだろうか。
だがこれが実際、チームに加入してみないと分からない、ということが多かったりする。チーム内でも就職先によって大きな差があったり、前に聞いていた話と違ったりというのもおそらく珍しくない。
こういった生活に必要な条件は、明確に提示しお互いに合意できる環境が整えば、地域リーグなどの上位アマチュアサッカーはもっと活発になると思う。
なぜマッチングサイトが必要だと思ったのか
で、なぜこのアイディアを思い付いたかという話。
チーム探しは難しい
チームを探すのって、結構難しい。筆者はブランデュー弘前という東北リーグのチームに所属することになったのだが、見つけたきっかけは学校の繋がりだった。
実際にはもう1チームに練習参加の依頼をしていたのだが、1チーム目だったブランデューで即OKが出たため参加すること無く入団を決めた。
これは相当幸運だったと思う。
同級生のチームの探し方はだいぶ過酷で、
①Jリーグ入りを目指す、と公言しているチームを一覧にまとめる
②それぞれのチームの雇用先があるかを調べる
③両条件に一致するチームの窓口を探し、問い合わせから応募する
という作業を地道に行っていた。
もちろん普通の就活だってそうだ、と言われればそれには同意だ。
だが先に述べたようにサッカーと仕事の両立を考えなくてはいけない点を考えると、サッカーの面と仕事の面という両面を調べ考えなくてはならない。しかもチームは全国各地にあり、選手を応募しているかどうかは調べてコンタクトを取ってみないと分からないのだ。なかなか難儀では無いか。
チームが選手を探すのも難しい
一方でチームが選手を探す、というのも大変だ。
多くのアマチュアチームのスタッフは世間的な社会人よりも少ない休みと少ない給料で勤めていることが多い。フロントに人手とお金が十分ある、なんてことはほぼ有り得ない。
すなわち、選手を探すスカウトのような存在を雇うことが困難であり、選手のリクルートは募集して待つことが多い。実際、それ以外での加入は所属選手の先輩後輩という繋がりで加入するぐらいだろう。もちろんスカウティングに力を入れているチームもあるため一概には言えないが、リクルートできるチームは一部であり多くのチームは募集待ちにとどまっているというのは事実だと思う。
サイトを作るメリット
では実際にサイトを作ったらどんなメリットがあるか。
思い付いたものをざざっと挙げていこう。
お互いに探す手間が省ける
当然ながらこれが一番のメリットだと思う。選手はこのサイトにアクセスすれば、数多くのチームの募集要項を一度に見ることが出来る。都道府県別、所属リーグ別、仕事の紹介の有無、Jリーグを目指すのか存続することが大事なのか、いろんな区分で分けて一覧で見れるようになっていればなお便利だ。
アマチュアのサッカーチームというのは、全てのチームがJリーグを目指すわけでは無い。
少年サッカーチームの手本になることが理念であったり、みんなでプレーする場を存続させることが目的であったりと様々だ。
それぞれが何を目指して、どんな条件で、どんな待遇で募集するのかというのを一度に比較できれば選手としては格段に便利になる。
またチームにとっても自前のウェブサイトだけでは選手の目に触れることが少ない、などの悩みを解決することが出来るだろう。
多くの選手が見れる状況になれば、お互いに同じ方向を向いて活動するための精査が可能になる。それはとても大切なのでは無いか、と色んな社会人選手の引退を見てきた筆者は感じるのだ。
日本サッカーの「草の根」が広がる
ここまで、より上を目指すような地域リーグ近辺のチームを仮定して話をしてきた。
だが筆者にはもう一つ、このサイトが実現したら大きく変わりそうなカテゴリが頭の中にある。
それはスポンサーも付かない、県リーグ下部やその下にある地区リーグだ。
こういったチームはウェブサイトを持っていないこともあるだろうし、選手の募集をしたくても届かないことがより多いと思う。知人のつてだけでなんとか選手を集める、そんなチームも多いと想像している。
だがこういったチームがたくさん活発になることがすごく大事だと最近は特に痛感している。
大人がサッカーをする場が見つからない
学生時代にサッカーがしたければ、部活に入れば良かった。というか筆者は5歳から23歳までずっとサッカーをしていたから、サッカーがしたいから場を探そうという状態になったことが無かったのである。
だが引退して、居住地を変えて初めて知った。
大人になって「サッカーしたいな」と思ったとき、意外と場を見つけるハードルが高い。
まず自分の住んでいる地域で検索をするのだが案外見つからない。
じゃあと思って県のサッカー協会へ飛び、リーグ表からチーム名を一個一個検索するのがこれまた労力。
もちろんサイトが無いチームもあるし、概要だけで入団希望をどこに伝えれば良いか分からないサイトも多い。
ページの隅々まで全チームあさるのは、予想以上に大変だ。
ということで、大人になってからサッカーで公式戦に参加したいと思うとなかなか難しい。
もちろんサイトを作ったり運営するのは簡単では無い。それはこのような簡素な作りのサイトを運営するだけでも思い知った。
だからこそ、全国各地のチームが募集をかけられるようなサイトがあれば便利だと思うのだ。
それは大人になってもサッカーを続けたり大人になってから初挑戦したり、様々な形のプレイヤーを増やすことに直結する。
誰でも気軽にサッカーが出来る環境が欲しい
それが日本サッカーの強化に繋がるとか、そんなことは知ったこっちゃない。
ただ、サッカーをプレーするというのはとても楽しいのだ。
Jリーグのサポーターの方々にも、サッカー未経験の方はとても多いと思う。
そんな方々でも気軽にチームに加入できるような、そんな社会人サッカーの広がり方をすればいいなと思っただけだ。
自分がJを目指して本気で上に行くためにチームを探したとき、引退して引っ越して新天地でサッカーがしたくてチームを探したとき。
この二つの経験から、サッカーをするためにはまずチームを探さなくてはいけないという苦難を知った。だからこそ誰か、このアイディアを上手くまとめて実現して欲しい。
もし実現できたら、ご一報くれると嬉しいです。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません