これからサッカーを見る人向けに、何を楽しめばいいのか書いてみる。
今回はちょっと変わった毛色で書いてみようと思う。
いろんなきっかけで、サッカーに興味を持った。観戦してみようと思うが、サッカーって何が楽しいんだろうか?
そんな人に向けて書いてみたい。
サッカーは詳しくなくても楽しく見れる、そんなことが伝わればいいなと思う。
知っとくと楽しくなる基礎知識
まずもって、簡単なルールだけは知ってるという人も多いと思う。
サッカーは、多くゴールを決めたほうの勝ちだ。これだけでいい。
で、これは知ってると「うわ、選手ってすごいな」と思えるような知識がいくつかあるので紹介したい。
コートやゴールの大きさ
サッカーのコート、一般的にはピッチと呼ぶが、この大きさは105m×68mだ。私はなぜか暗記してしまっている。
つまりこれだけの広さを22人、キーパーを除いたら実質10人で走り回るのだ。広い。
特に横幅68m。これを4人や5人で分担して守ると思うとどうだろう、予想以上に一人一人が大変そうだと思わないか。
あと他の視点でいえば、ゴールキックはピッチの半分以上の飛距離が出る。つまりボールを50m以上蹴っ飛ばしてるわけだ。しかも能力の高い選手ならば一歩も動かずにトラップできるようなボールを蹴ることが出来る。
この飛距離、そして精密度。当たり前のように行われてるがとんでもない神業なのである。
そしてゴールの大きさ。これが7.32m×2.44m。これもまた、テレビで見る感覚より大きい。
もし今出来るならば、大股で7歩ほど歩いてみてほしい。
これぐらいの幅があるゴールをたった一人で横っ飛びしながら守るのがキーパーだ。なんと孤独でなんとカッコいいことか。
というように、画面越しではイマイチ伝わらないかも知れないが、サッカーとはそもそも肉体的に超人技が当然のように飛び交っている。
これはいつか、いつかでいいから出来たら現地観戦して体感して欲しい。あとJクラブはこういった選手の凄さをもっと上手く伝えて欲しい。そういうイベントとかあったら楽しいと思うんだ。
オフサイドについて
サッカーを見るとき、真っ先に聞かれることの一つが
「オフサイドってなに?」
というもの。確かに分かりにくい。のでここで簡潔に説明する。大事なのは細かいルールより、何を目的に作られたルールかということである。
待ち伏せ禁止ルールだと思ってください
一番分かりやすくオフサイドを表現するのであれば、
「待ち伏せ禁止ルール」
という言い方が良いと個人的に思っている。
で、どんなルールなのかといえば、
「パスを出した瞬間に、相手チームの後方から2番目の位置にいる選手よりも相手ゴールに近い場所に居てはいけない」
というもの。文章にすると分かりにくい。これにも理由はあるんだけど、普通に観戦する分には気にしなくていい。まずは何よりもわかりやすさだ。
分かりやすくするために、3対3でピッチを表現してみよう。
このとき、赤チームにとってのオフサイドエリア(さっきのルールにより決められた、居てはいけないエリア)を塗ってみる。
こんな感じ。このエリアにはパスが出る瞬間に居てはいけない。
ではなぜこんなルールが決まったのか。もしこれがなかったら、どうするのが一番点が取れるだろうか。
ゴールの近くでひたすらパスを待ち、すぐシュートまで持って行けば良い。
それを防ごうと守備側もズルズルと後ろに下がってしまったらどうだろう。
こんな感じ。それぞれがバラバラに遠く離れてしまい、今のようなスピード感溢れる試合を見ることは二度と無くなってしまう。
だから、待ち伏せ禁止というルールなのだ。
「パスを出す瞬間」と決めることで生まれる駆け引き
もうちょっとだけ。よくある勘違いとして、「ボールを触った場所」と思われがちだがそうではない。
あくまで「パスを出した瞬間」だ。
つまり、このようなプレーが出来れば、それはオフサイドではない。
ということは、守備の意表を突いて「オフサイドじゃない場所」からパスを蹴った後に走れば大チャンスになる。
この最終ラインとフォワードの駆け引きが生まれるのは、待ち伏せ禁止ルールがあるからだ。
これだけ分かってれば、ルールは大丈夫。後は手を使わないとか転ばせたり引っ張ったり蹴ったりしちゃ駄目、という普通のファウルぐらい。
何に注目したら楽しいのか
さあ、前置きが長くなってしまった。でも大事な前置きなんだ。
じゃあいざサッカーを見てみよう!となったときに何に注目すればいいのか、それを整理整頓しながらなるべく簡単に伝えたい。
得点が少ない、だからこそ面白い
サッカーは色んなスポーツの中でもトップクラスに得点が少ない。
90分戦って0-0、なんてこともよくある。そんな試合を見た日にはつまらなくて仕方ないんじゃね?と思うかも知れない。
でも俺の感覚からすれば、得点が少ないからこそこのスポーツは面白い。し、楽しめる。
まずもって、大の大人が抱き合って叫んで喜ぶようなシチュエーションって日常においてそうそうない。それぐらいサッカーの得点というのはとんでもない一大事なのだ。
これが例えばバレーボールだったらどうだろう。あのテンションで毎得点喜んでたら、たぶん壊れてしまう。
これは優劣では無く、個性の問題だ。バレーボールやバスケのような多得点競技は積み重ねの戦い。それに比べてサッカーは、1点で試合が大きく変わってしまう。
で、この得点が少ないことによって何が起こるのか。
まず、得点が入りそうというチャンスの段階でめっちゃドキドキする。更に見慣れてくると、チャンスになりそうな場面でドキドキ出来る。
点が入らないから面白いのではない、点が入らないからこそ一喜一憂するのである。
もう一つの大きな点は、番狂わせが起きやすいということ。
ずーーっと押してて攻めてたのに点が取れず、ぽろっと相手に1点取られて負けてしまう、なんて試合がサッカーには少なくない。
それだけサッカーというのは点を取るのが難しい。運の要素も大いに関わってくる。
となれば、チャンスの数に大差がついてても勝てる可能性もある。結果的に番狂わせが起こりやすい。
だからどっちが勝つかそう簡単に分からない。野球のような大差からの逆転は起こらないが、そもそも大差が付きにくいスポーツなのだ。
最初はなんにも分からなくてもいい
そんな感じのスポーツなので、最初はなんにも分からないまま見てても良いと思う。
シュートを打ったら入れ!って祈ったり、相手が爆走ドリブルしてきたら誰か止めてええええ!って叫んだり。
サッカーにはわかりやすくチャンスやピンチが訪れる。その時に一喜一憂するのが楽しい!それが一番だ。
一つだけなにかコツを挙げるなら
と、ここまで書いてみたが割と突き放した結論になってしまった。
これで終わるのは忍びない。ということで、一つだけ最初の観戦から楽しみやすくなるコツというかポイントを挙げてみようと思う。
どちらか応援するチームを決めてみる
これが一番分かりやすく、楽しみやすいと思う。
理由はなんだっていい。ルックスが好みの選手がいる、地元のチームである、推しのVtuberとコラボしている(参考・・・にじさんじとJリーグ(J1クラブ)コラボ組み合わせ一覧)などなど。
どちらかを応援することで、点が入りそうだなあという傍観者の立場から一気に自分事に変わってくる。喜びも悔しさも、サッカーを彩る大切な感情だ。その感情は、ただ試合を見るだけではなかなか得られない。
どちらかに肩入れすることで、その試合は一気に鮮明に心を揺さぶってくる。その感情の波こそが、サッカーの一番の魅力だと私は思っている。
だからなにかのきっかけでサッカーを見てみよう!と思ったら是非どこかを、誰かを応援してみて欲しい。
詳しくなくても楽しい、詳しくなっても楽しい
サッカーは見方が沢山あるスポーツだ。10人居れば比喩では無く本当に10人が違う観点から試合について喋ることもあるぐらい。
だからこそ詳しくなったり見慣れてくると、それまでとは違った楽しみ方が出来るようになる。それは事実だ。
だがそれと同じぐらい筆者が伝えたいのは、詳しくなくてもサッカーを見ることはとても楽しいし、とてもエキサイティングだということ。
それはサッカー経験が無く、戦術的にも詳しくない両親が心から楽しんで地元のチームを応援する姿から教わったことかも知れない。
山田一家は、全員が柏レイソルのサポーターだと思う。もちろん知識や観戦経験に差はあるが、全員レイソルの話が大好きだし、みんな色んな観点から話をしていた。
そんな家族の時間から学んだ「サッカーを見ることの楽しさ」がちょっとでも伝われば嬉しいなと思う。
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